民族雑貨店などで見かけるベトナムのかわいい刺繍。自分でも「やってみたい!」と思ったので、2019年のゴールデンウィークに体験してきました!
ちなみに一人旅で、値段などの情報は2019年5月時点です。(多めに見て100円20,000VNDくらい)また、ベトナムでクレジットカードを使うときには手数料がかかることがあります。
参考:私の旅程 2019年(令和元年) ゴールデンウィーク 6泊7日
4月29日(月) | 東京→ハノイ |
4月30日(火) | ハノイ ※南部ベトナム解放記念日 |
5月1日(水) | ハノイ ※労働者の日(メーデー) |
5月2日(木) | ハノイ→サパ |
5月3日(金) | サパ |
5月4日(土) | サパ→ハノイ |
5月5日(日) | ハノイ→東京 |
刺繍体験の予約
インターネットで検索してEthosというエシカル(倫理的)な旅をアレンジしている組織Ethos Travelを見つけました。1997年にリサーチのためにベトナムを訪れたイギリス人のフィルさんと、キン族のフォアさん夫婦が運営しているEthosがあるのは、中国国境にほど近いベトナム北部のサパ(Sapa)。サパはベトナムにおける避暑地のような観光地らしいのですが、このエリアにはモン族、タイ族、ザオ族など山岳民族が住んでおり、Ethosでは彼ら少数民族によるトレッキングやホームステイ、染物・織物・刺繍といったテキスタイル関連の体験ツアーをアレンジしています。

Ethos -Spirit of the Community http://www.ethosspirit.com/
Webサイトの印象から何となく信頼できそうだと感じたので、まずサイトのオンラインフォームより、「4月の終わりから5月にベトナムに行くので、サパになるべく長く滞在し、テキスタイル関連の体験をできるだけたくさん行いたい」旨を伝えました。3月初旬に始まったやりとりは全て英語ですが、即時対応のリスニングやスピーキングではないので、Google翻訳などを使ってじっくり取り組めば意思疎通はできるでしょう。ちなみにEthosからはHoaさんによるとても洗練されたイギリス英語のメールが届きます。
Ethosから「4/30南部ベトナム解放記念日、5/1労働者の日という連休により、観光地であるSapaは大混雑するため、ツアーのアレンジはできない」と返信が。かなりがっかりしたのですが、後から聞いた話によるとその連休は激混みでサパの街は水不足になっていたそう。そこで移動日を除くサパ滞在が1日になってしまったのですが、その日に刺繍体験(Black Hmong Hemp & Embroidery Workshop)を依頼しました。料金は72USD。(現地にてカード支払い可。バス・電車は事前カード支払い)
その他ツアー一覧 http://www.ethosspirit.com/create-your-experience.html
サパへの行き方
サパへはベトナムの首都ハノイから電車またはバスで行くことができます。いずれの交通手段でもEthosが予約を代行してくれます。私は一人旅のため安全性を確保したく、昼間移動で乗り継ぎのないバスでの移動を選びました。宿代をセーブしつつ夜間を移動に充てたい、ベトナムで列車旅をしたい場合は電車を選んでも。行きと帰りで方法を変えても面白そう。
電車
ハノイ駅~ラオカイ駅 約9時間。夜行便。片道900,000~1,070,000VND。ラオカイ駅からサパまではバスで約1時間。電車は1人や2人旅であっても、安全を確保するため4人用キャビンを予約するように、とのこと。
長距離バス
ハノイ~サパまで約6時間。ハノイ朝7時頃発。片道382,000VND。ハノイ旧市街のホテルであれば、ピックアップバスがロビーまで来てくれるため、予約時にハノイのホテル情報が必要。
移動の朝はハノイのホテルまでミニバンがピックアップしに来てくれます。万が一来なかった場合の電話番号も事前に知らされているので安心。トラブルが起きたらホテルのレセプションに電話番号を見せて助けを求めましょう。ミニバンが色々なホテルを回って乗客を回収した後、大型観光バスに乗り換え。座席は指定で<2席―通路―1席>の配置で広々。トイレは車内にないが、途中トイレ休憩が2回。一度目はトイレのみの場所、2回目は大きな売店やレストランつきのサービスエリアのような場所だった。道中はエアコンが効きすぎで極寒なこと以外は快適。フリースのブランケットがあるが、西洋人男性さえも寒がる温度なので、防寒着も用意しておこう。豆のスナックとペットボトルの水が支給された。サパでは町の中心地で降車。(私はEthosに聞いたオススメホテルGem Sapa Hotelに宿泊。停車場から徒歩約5分。坂道の上にあって行くのがちょっと大変だけど、落ち着いた場所で、部屋もきれい。スタッフもフレンドリーで満足。2泊で1,700,000VND。)

隣のバスは車内が二段ベッドになっているようでした。気になる・・・!

トイレ休憩
刺繍教室当日の流れ
レクチャー / Ethosオフィス
ホテルのレセプションでタクシーを呼んでもらい、Ethosのオフィスへ。トレッキングツアーに行く西洋人カップル2組と私に向けて、フィルさんがSapaや山岳民族の歴史、現状についてレクチャー。その後、山岳民族のガイドさん達が各お客さんに合流。私は黒モン族のカーちゃん。20代後半で二児の母。流暢な英語スピーカー。
買い出し / 市場
カーちゃんと共にタクシーで市場へ。「この野菜とあの野菜どっちがいい?」なんて話をしたりしながら、一緒にお昼ご飯のための買い出し。「肉は持参したタッパーに詰めてもらう。調達がすんだら待たせていたタクシーで彼女の村へ。当初は彼女の両親の家でワークショップをするはずが、天候により足場が悪いため彼女の新築の家で行うことに。
調理下ごしらえ・ランチ・刺繍ワークショップ / カーちゃん宅
一緒に野菜の下ごしらえをして、いよいよ刺繍ワークショップ。クロスステッチのように布目を数えながら、模様を刺す。糸を大切に使う気持ちと、糸の扱いの上手さの現れだと思うが、糸を切らない。私が間違ったところに糸をさしてしまったり、こんがらがせてしまった糸も彼女はきれいにほどく。合間に旦那さんが調理してくれたごはんでランチ。近所の人も食べに来てくれるので、雰囲気がわかる。そしてごはんが本当においしかった。針仕事をしているとあっという間に夕方になり、タクシーでEthosのオフィスに向かい、解散。ツアー代金の支払いはカード使用可。料金は$72。(長距離バスは予約時にカードで精算済。)

カーちゃん宅にあった刺繍
感想
Ethosとの事前やりとり、当日のあれこれともに信頼できるものでした。当日、フィルさんからベトナムやサパの状況について聞かせてもらったのもよかった。(私は英語が不自由なのでちゃんと全部聞き取れませんでしたが。)もともと遊牧民だった山岳民族たちはフランス統治開始により定住することになり、共産党の支配下では・・・といった話、サパでは5日に1人女性が中国に誘拐され嫁や売春婦にされるという話も含まれていて、考えさせられました。Ethosが彼らの文化を守り、活かしつつ、生活の糧を築いていこうという団体だということがしっかり伝わってきました。
メインの刺繍ワークショップでは、ただ刺繍を習うだけでなく、彼女が住む家で、一緒に料理をし、ごはんを家族や友達を食べるという貴重な体験をすることができました。面と向かって話すよりも、針仕事をしながら女同士として話すのは、なんだか気持ちがほぐれて繋がる気がします。それまでハノイの博物館で民族衣装をみてきましたが、その裏にある作り手の気持ちや暮らしが少し想像できるようになったんじゃないでしょうか。一日だけでなく、何日もいたかった!そして刺繍だけでなく他のテキスタイルツアーにも参加したかった!

カーちゃんのの見本と、私のやりかけ

★ベトナム手芸旅 その2
★日本の手芸旅
kyokotaの手芸旅 Google Map
https://goo.gl/maps/Qxj1kpa2Nh13REWD7